独自の商品企画AIを開発!社内データを駆使して競争力に磨きをかける

シーピー化成株式会社は、プラスチック食品容器メーカーです。創業から60年以上にわたり、食品容器を通して、誰もが安心して食を楽しめる社会の実現を目指してきました。
社内には大量のデータが存在していましたが、部門ごとに管理・活用方法が異なり、十分に横断的な連携が取れていませんでした。そのため、データを活かした戦略的な意思決定をさらに進化させていく余地がありました。
atarayoの支援により、データ基盤の構築や週次・月次レポートの自動化による情報収集の効率化を実現。さらに、社内のデータを活用した独自のAIによる商品企画を推進しています。
<主な施策>
・クラウドプラットフォームを活用したデータ基盤の構築
・AIによる週次・月次レポートの自動生成
・独自の商品企画AIを開発
この記事では、マーケティング部リサーチ課の山口さん、同課の田島さんに、導入の経緯や導入後の成果などについて伺いました。
投資効果の最大化のために!データに基づいた経営判断への変革
──最初に、マーケティング部リサーチ課の役割についてお聞かせください。
田島さん(以下、田島): リサーチ課は、2024年に当社が掲げた「未来を、笑顔で、つつむ」という新たなパーパスの実現に向け、事業を加速していくために同年9月に設立されました。リサーチ課のミッションは、社外・社内に存在するさまざまなデータを一元化し、経営判断や商品企画に活かせる体制を構築することです。
──atarayoにご依頼いただく前は、どのような課題をお持ちだったのでしょうか?
田島: 上層部から最初に相談を受けたのは、「データに基づいた客観的な経営判断がまだ十分にできていないのではないか」という悩みでした。
山口さん(以下、山口): 部門ごとにデータが分かれており全体像が見えにくい、サイロ化された状態でした。ただ、サイロ化の中でもデータ活用は行っており、過去の経験をもとにした、短期的な視点での投資判断が中心だったと聞いています。投資に対する収益のリターンを十分に引き出せていない点が課題であったようです。
データ基盤の整備や活用からデータ分析までトータルで任せられる点が決め手
──データ活用支援の導入を検討し始めたきっかけをお聞かせください。
山口: 会社の見解として、見通しの立ちづらい社会の中で、当社だけが提供できる価値をお客様に届ける必要があると考えていました。そのために大量のデータをフル活用して、多角的な分析を行う専門家が必要でした。
田島: 社内リソースだけですべてを担うには限界があると感じていました。外部の専門家にお願いすることでスピード感も出ますし、自社では得られにくい客観的な視点もいただけると考えました。また、社内の専門家育成にも課題をもっており、その点もきっかけのひとつでした。
──atarayoにご依頼いただいた決め手は何だったのでしょうか?
山口: 決め手は2点あります。1点目は単に整ったデータを分析するのではなく、その前段階、データ基盤の整備から伴走いただけた点です。「社内データの一元化に向けた、データ基盤構築から任せてください」と言っていただき、基盤の構築というフェーズがあることに気付きました。2点目は、社内の専門家育成にも取り組んでいただけると伺えた点です。
田島: 社内育成に関しては、リサーチ課内だけでは専門的な知見がなかったので、心強かったです。最初は「データはあるけど分析ができない」ことが課題だと思っていたのですが、atarayo様とお話するなかで、その前段階の基盤構築ができていないことがわかりました。データを整える土台の部分から支援していただけるのは、すごく大きな決め手でした。
IT技術でデータを一元化。レポートの品質向上など手ごたえを実感
──導入はどのような流れで進んだのでしょうか?
山口: 最初に「当社が目指すデータ活用の全体地図」の作成から始めました。データがどのような形で存在すべきなのかを可視化し、それを第三者の専門家であるatarayo様に確認していただいたことで、この方向で間違いないという確信が得られましたし、社内に向けての説明をする際にも、専門家であるatarayo様のお墨付きがあるという部分は各方面において大きな安心材料になりました。
田島: 専門家の意見をいただいたおかげで、社内の理解度や説得力が全く違うものとなり、データ活用推進の後押しになりました。
山口: 人の手ではなく、IT技術を使って自動でデータを収集し、一元管理して分析していくという新しいソリューションをご提案いただき、当社のデータ施策が大きく前進したと実感しています。
田島: データ基盤が整ったので、週次・月次のレポート作成や商品企画など、データを具体的に活用する段階に進んでいます。
──導入後、どのような点で成果を感じましたか?
田島: 週次・月次レポートの質の向上と効率化です。市場動向を自動で収集・要約し、社長をはじめ役員や関連部署に共有しています。
もともとは私一人で、手作業で情報を収集してまとめたものを配信していました。時間をかけても得られる情報量は限られており、発信頻度も十分とは言えませんでした。
今は、さまざまな企業の情報を大量に処理して配信できるようになり、情報の量も質も大幅に向上しました。さらに作業時間も大幅に削減できています。自動的に情報が入ってくる点が高く評価され、役員からも「レポート見たよ」と声をかけてもらえるようになりました。
独自データ×AIで、属人化した商品企画からシフト。競争力を高めていく
──AIを活用した商品開発の取り組みについて教えてください。
山口: 現在、商品企画AIの稼働が始まったところです。AIの精度を高める方法について、atarayo様からご教授いただいたので、これから実践して競争力を高めていきたいと思います。
田島: 従来の属人的な発想から脱却し、市場性を俯瞰的に見られるようになれば、経営判断もしやすくなるのではないかと考えています。
──当社のサポートについて率直な感想をお聞かせください。
山口: 基本的な部分からすごく丁寧に説明いただき、安心感がありました。要件定義に必要な基盤構築周りの用語についても、一つひとつ丁寧にご説明いただきスムーズに構築を進められました。
進捗状況の共有についても、分かりやすいようにマイルストーンを作成していただき、現在どのフェーズにいるのか、どの部分がクリアできており、どの部分でつまずいているのかなどをしっかり把握しながら進められています。
田島: 都度細かい要望をお伝えしても、快く対応いただいています。次回までに反映が難しいであろう内容であっても、当社の都合を考慮したうえで可能な限りスピーディーに対応してもらえるので本当に助かっています。
AIの活用範囲を広げ、人間にしかできない仕事に注力。会社の成長を加速させたい
──今後、データやAIをどのように活用していきたいとお考えですか?
田島: 週次・月次レポートの精度を上げて、市場動向を分析した情報など、営業や商品企画のヒントになるような情報を発信していきたいです。
また商品企画AIのように、当社独自のデータやノウハウを活かすAIを構築するには、ChatGPTやGeminiといった汎用AIでは難しいと教えていただいたので、atarayo様にサポートいただいた基盤を活用しながら、段階的にできることを広げていきたいと思っています。
山口: 将来的には、商品企画AIによる効率化で生まれた時間は、新規事業など既存事業に囚われずに活用することで、会社の発展スピードを加速できるのではないかと期待しています。
──同じような課題を持つ企業の方へのアドバイスをお聞かせください。
山口: データやAIの活用については、専門家のサポートを受けるのを強くおすすめします。
田島: まずは、最初の一歩を踏み出すことが大切です。最初の一歩が一番難しいと思いますが、何をしていいか分からない段階から、具体的な提案をいただけるatarayo様のサポートは非常に大きかったです。まず一度相談してみてはいかがでしょうか。