回収率が1.5倍に向上!AIで属人化を解消し、約20万件の債権管理を効率化

回収率が1.5倍に向上!AIで属人化を解消し、約20万件の債権管理を効率化

毎月約20万件の債権を管理するA法律事務所では、成功報酬型の債権回収を展開するなかで、属人化とリソース不足という大きな壁に直面していました。

AIとデータを活用したatarayoの支援により、属人化を解消しつつ、回収率が1.5倍に向上。さらに50%のコスト削減も実現し、債権回収の業務効率と戦略の精度が飛躍的に向上しました。

<主な施策>

・AIによる「回収期待値スコアリング」

・最適なアクションプランの自動策定

・データをリアルタイムで可視化する効果測定・分析ダッシュボードの提供

この記事では、企画・カスタマーサクセス・マーケティング・営業の責任者のSさん、オペレーション部門の責任者のNさん、管理部門の責任者のTさんに、導入の経緯や導入後の成果などについて伺いました。

約20万件分の戦略立案を一人で担当。属人化が成長の足かせに

約20万件分の戦略立案を一人で担当

――最初に、事業の概要を教えてください。

Sさん(以下、S): 後払い決済事業者や家賃保証会社といったお客様からご依頼を受け、債権回収の代行をしております。現在約400社ほどの企業様とお取引があり、毎月約20万件ほどの債権をお預かりしています。

債権の未回収は、企業にとって見過ごせない課題です。当社は、債権回収の代行を通じて、お客様が事業の成長に専念できる体制づくりをサポートしています。

成功報酬制のビジネスモデルのため、全ての債権に対し一律に回収を行うわけではありません。債権ごとの投資対効果を見極め、架電や通知の送付といったアクションを最適化し、オペレーション部門が実行することで、回収につなげます。

── atarayoにご依頼いただく前は、どのような課題をお持ちだったのでしょうか?

S: 企画・カスタマーサクセス業務の責任者として、月約20万件もの債権の戦略立案やリスト作成、データ集計、報告資料の作成まで、すべてひとりで担当していました。

手作業で進めていたこともあり、業務負荷が非常に大きく、対応が追いつかない状況に。さらに、ノウハウの属人化も進んでいたため、チーム全体としての対応力にも限界を感じていました。

その結果、顧客満足度の向上や事業拡大に向けた施策に、注力する余裕が持てなくなってしまったんです。そこで、状況の可視化や回収効率の向上に向けて、共に課題解決に取り組んでくれるパートナーを探すことにしました。

Nさん(以下、N): アクションの調整などは高度な分析が必要なため、できる人材は限られ、育成にも時間がかかる状態でした。そのため、大量のデータを分析できる専門家に頼むしかないという状況でした。

Tさん(以下、T): オペレーションの管理者の視点から見ても、担当者ごとに知見やスキルに差があり、品質にばらつきが出ていました。属人化を解消し、常に高品質なサービスを目指す必要がありました。

10社比較で即決。提案力・スピード・セキュリティ対応が決め手に

── atarayoにご依頼いただいた決め手は何だったのでしょうか?

S: 約10社ほどとお話したなかで、事業理解と最初のご提案が最も優れていたからです。通常であれば、初回の打ち合わせでは「一緒に考えます」「これから分析します」といった話になるのですが、atarayoさんは違いました。

代表の加藤さんから、データの扱い方を根本から見直すといった踏み込んだ提案を受け、「この方と一緒に仕事をしたい」と強く感じました。

セキュリティ面についても丁寧にご説明いただき、センシティブな情報を多く扱う中での不安も解消され、安心してお任せできました。

── 導入はどのような流れで進んだのでしょうか?

S: まずは1社をピックアップして、データの可視化、AIによる分析ツールの作成、AIによる施策立案の3ステップで進めることになりました。

導入後のスピード感も素晴らしかったです。週2回のミーティングを実施し、その場でどんどん改善点を反映していただいた結果、1ヶ月後くらいには一定のアウトプットが出ていました。なるべく早く、課題を解消したかったので、本当に助かりましたね。

また、プロジェクトが稼働してから、追加でレポート作成についての施策を出していただくなど、柔軟な対応も印象に残っています。

AIにより数万件分の戦略立案が一瞬で完了!コスト50%削減を実現

AIにより数万件分の戦略立案が一瞬で完了

――特に成果につながっている施策をお聞かせください。

S: 正直、1つに絞るのは難しいですね。でも大きかったのは、「回収期待値スコアリング」と「最適なアクションプランの自動策定」です。

回収期待値スコアリングは、債権ごとの回収可能性をAIが数値化してくれる仕組みで、以前はExcelで手作業で行っていた作業が、瞬時に完了するようになりました。たとえば1万件の債権があったとしても、どこから手をつけるべきかがすぐに分かります。

さらに、そのスコアに基づき、架電か通知かといった最適なアクションまで自動で提案されるので、こちらで判断する手間もほとんどなくなりました。私自身は結果の確認をするだけで済み、戦略立案や営業といったコア業務に集中できるようになりました。

N: 現場としても、スコアリングはすごくありがたいですね。迷いなく優先順位がつけられるので、アクションの精度が確実に上がりました。

あとは、効果測定のためのダッシュボードもありがたいです。回収状況やKPI、ROI(投資収益率)などがリアルタイムで見られるようになったので、定量的な判断がしやすくなりました。意思決定のスピードもかなり上がっています。

――具体的な数値の面で変化はありましたか?

S: コストを50%も削減しつつ、回収率を約1.5倍にすることに成功しました。AIによって回収期待値の高い債権にリソースを集中できるようになり、業務効率が大幅に改善しています。郵便料金をはじめとする施策コストの削減だけでなく、生産性の向上による人件費の節約も実現できています。

N: 以前は判断が属人化していて、期待値の低い債権に対しても多くの工数が割かれていました。現在はAIのスコアリングを活用し、高スコアの債権にアクションを集中できています。その結果、無駄なコストを省きながら、回収率を改善することができ、利益も上がっています。

──現場の皆様の声はいかがでしょうか?

N: 「業務量が減った」と驚いています。全て手作業でやっていたものが、atarayoさんのツールでできるようになり、だいぶ負担が減りました。

T: 以前は、約400社分の回収プランを考えるだけで膨大な時間を費やしていました。現在は、スコアリングにより債権ごとの優先順位が明確になり、アクションも数値で管理可能に。業務の流れが整い、現場の雰囲気も明るいです。導入前と比べて、残業時間が月15時間近く減ったメンバーもいます。

スコアリングによる優先順位の可視化

業務効率化で生まれたリソースが顧客満足度アップの原動力に

――導入後、お客様の反応などに変化があればお聞かせください。

S: レポートの質やフォロー体制に、高評価をいただいています。この前もミーティングでレポートをお渡ししたところ、「わざわざ作ってくれてたんですか、素晴らしい」とおっしゃっていただきました。

atarayoさんがデータ周りを整えてくれているおかげで、私たちはほぼ作業することなく、必要な情報が非常に見やすくまとまったレポートをお渡しできています。以前は、レポート作成専任のスタッフが必要だったので、すごく大きな変化ですね。

──今回の導入をきっかけに実現した新たな取り組みはありますか?

S: カスタマーサクセスの拡充です。顧客満足度向上のために、導入後のフォロー体制を手厚くしたのですが、atarayoさんのツールなくしては成り立たなかったと思います。

特に変わったのは、クライアントとの定例ミーティングの質です。atarayoさんのツールで、現状のデータ・目標達成率・目標が達成できた理由・できなかった理由・次回の改善点などをまとめていただいているので、その分ファシリテーションの準備に時間をかけられます。

プレゼンテーション方法の改善や、より踏み込んだ施策の立案にリソースを割けるので、これまで以上に付加価値を提供できるようになりました。私たちが大切にしている「お客様第一主義」をさらに追求できています。

AIで債権回収の未来を変える。完全自動化で業界のトップへ

AIで債権回収の未来を変える

── 今後、AIやデータを活用して実現したいことはありますか?

S: 完全自動化です。今のフローはまだメールのやり取りなど、人が介在する部分が多いので、ゆくゆくはデータの授受から回収アクション、入金処理、お客様との連携までAIで完結させたいです。そうすれば、リソースを顧客対応や営業、債権回収先への架電に集中させられますし、ミスも減り、回収効率もさらに上がるはずです。

私たちの目標は、債権回収代行サービス業界でトップに立つことです。ナレッジやノウハウ、取引先の多さなどの強みを持つ中で、AIを活用することで他社に真似できないサービスを作れるはずです。

そのためにも、技術力と提案力に信頼を寄せているatarayoさんに、これからもパートナーとして長く伴走していただきたいと思っています。

──目標の実現に向け、atarayoに期待している点があればお聞かせください。

T: 回収率の安定です。お客様が一番求めているのは、安定して高い回収パフォーマンスを発揮することです。プロジェクト開始からまだ1年未満で波はありますが、atarayoさんと協力して安定性をさらに高め、より多くのお客様に喜んでいただきたいと考えています。

N: お互い本音でお話できるパートナーになることです。私たち側に課題がある時、atarayoさんから遠慮がちにしか指摘されないことがあります。より良い取り組みのために、もっと率直に本音を伝え合える関係を築きたいです。

S: 売上増加とコスト削減に向け、DX推進を引き続きお願いしたいです。私たちの業界は、AIなど新技術の導入が遅れています。だからこそ、技術力のあるatarayoさんとともに、変革の風穴を開けていきたいと思います。

また、債権回収代行サービスに留まらず、新規ビジネスの展開でもパートナーとして一緒に歩んでいきたいと考えています。

── 最後に、atarayoのようなサービスは、どのような企業におすすめでしょうか?

N: 大量のデータを取り扱う会社です。AIによる分析や施策の立案は、データが多いほど力を発揮します。クライアントやエンドユーザーが多い会社であれば、業界問わず活用できると思います。