AIエージェントで高精度なデータ分析を自動化|スピードと質の向上を両立する新たな分析

AIエージェントで高精度なデータ分析を自動化|スピードと質の向上を両立する新たな分析

事業の持続的な成長においてデータ分析は欠かせませんが、「時間や手間がかかる」「難しい」というイメージに加え、そもそも「何のために、どんな分析をすべきか」「データをビジネスにどう活かすか」といったアイデアを持つ人材の不足が大きな課題になっています。特に大量のデータを扱う現場では、このような課題は顕著に現れています。

この課題にatarayoは、AIエージェントによるデータ分析という新しい取り組みで挑んでいます。この取り組みの最大の特長は、「AIエージェントが自律的に動き、高い精度で分析を完遂できるようになったこと」です。

これまで人が何時間もかけて行なっていた分析作業を、精度を保ちつつ、スピードや分析量といった効率性を高めるだけでなく、AIが多角的な分析パターンを提案し実行することで、分析の質と深さを向上させ、新たな提供価値を生み出しています。

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従来の分析との違い

atarayoでは、Claude CodeのAIエージェント機能を活用したデータ分析を進めており、その方法は従来とは異なります。

AIエージェントは、担当エンジニアのPCの実行環境上で動作し、指示に基づいてデータの読み込みから、データを分析に適した形にする前処理、グラフ作成、そしてレポート生成まで、データ分析の全工程を自律して実行します。

データ分析は、一度の作業で完結することは少なく、必要に応じて新たな観点から繰り返し実行していく「探索的な分析」が欠かせません。 従来は、この繰り返しの過程で環境構築やコードの修正・実行に多くの時間を要していました。 しかしAIエージェントは、仮想環境の準備から必要ライブラリの導入、ステップごとに生成されるコードの組み込みや実行までを自動化できるため、この繰り返し作業の負担を大幅に軽減します。

またAIは、データの可視化や相関分析だけでなく、その結果に基づいた考察やビジネスへの示唆まで出すことが可能です。そのため、より多角的な視点からの分析ができるのです。

このようにAIエージェントを活用することで、実質的に「複数の優秀な分析メンバー」を生み出し、時間削減と分析の質向上の両立を可能にします。

活用事例と成果

atarayoでは、実際にこの分析を、債券回収の代行サービスを行う法律事務所様の支援にて活用しています。例えば、「新しく委託された債権の特徴と過去の債権を比較した分析」や「回収予測と実績の乖離要因分析」といった分析で活用し、大きな成果を出しています。

AIはエンジニアからの指示を通して、必要なデータを抽出・加工し、特徴の集計や予測値算出、示唆出しまでを自動で行なっています。

AIの出す結果によっては、修正の指示を追加で何度か出す必要がありましたが、指示内容を試行錯誤することで、平均2〜3回のやり取りで目的の分析結果が出せるようになり、分析完了までのスピードがさらに向上しています。分析のサイクルが早くなることで、以前なら工数がかかりすぐに手をつけられなかった分析も迅速に行えるようになりました。

また、多角的な分析が可能になり、レポートやグラフといったアウトプットの量が最大5倍ほど増加しました。これにより、一つ一つの事象に対しての解像度が上がり、「仮説が正しかったか、間違っていたのか」あるいは「想定外のことがあったのか」を明確に判断できるようになりました。さらに、「すぐに気づかなかった点」を含めて幅広く検討できるようになり、新しい仮説立てにも役立っています。

結果として、クライアント様からの分析の依頼件数が増えており、これは分析の質、量、スピードがatarayoへの信頼として繋がっている証拠だと捉えています。

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AIを最大限に活かす人間の「新しい役割」

データ分析において、AIがコードの大部分を自動生成するようになっても、エンジニアの仕事がなくなったわけではありません。むしろ、より高度で本質的な役割が求められるようになっています。そのため、atarayoでは以下を押さえAIの力を最大限発揮できるようにしています。

1. 「良い分析」のための事前の整理

AIが「良い分析」(=「期待した結果を出す分析」)を行うために、最も重要視しているのは、分析を依頼する前の「事前の整理」です。

何を分析したいのか?」「何が重要なのか?」という目的とゴールを明確に定義し、前提となる事項や重要視する点、最終的なアウトプットのイメージをAIに正確に伝えることが、AIの能力を最大限に引き出す鍵となります。また、データをそのままAIに渡すのではなく、事前に一定の加工をしておくことで、分析の正確性が向上しています。

2. 分析結果の「質」を見極めるチェック

AIが出した分析結果は、必ずエンジニアによる丁寧かつ厳密なチェックが必要です。特に、数値に関しては、他の算出方法との比較検証を行い、結果の妥当性を必ずチェックしています。また、AIが導き出した示唆に関しては、「論理的に筋が通っているか?」「 前提情報の解釈に誤りがないか?」を徹底的に確認します。この丁寧な確認作業が、分析の正確性信頼性を担保しています。

3. 分析の全体像を捉える力

AIを使いこなすには、手法やツールの全体的な知識といった分析の全体像を知っておくことが不可欠です。全体像が分かっているからこそ、AIに最も効率の良い手法を選択させることができ、分析の幅と速度を向上させることができます。

さらなる「分析の質」の向上へ

AIエージェントの導入により、工数が削減された分、atarayoでは分析の「質」の向上により注力できます。そのため今後は、分析結果からさらに深堀りしたり、同時に複数のアプローチで分析したりと、今まで時間の制約で難しかった「深い分析」を当たり前の状態にしていきたいと考えています。

AIエージェントを活用したデータ分析は、迅速で正確な意思決定を可能にし、顧客への提供価値の向上を実現します。

atarayoでは今後も、AIの力を最大限に引き出し、お客様の持続的な事業成長を支援できるよう進化し続けます。

この記事の著者
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Tomotaka Kato
加藤丈峰
事業会社でBtoBマーケティングツールの新規事業開発から、新規事業のグロースとコンサルタント、データの活用支援を経て、
2022年に株式会社atarayoを設立。BtoBのデータ分析・マーケティング支援事業と、BtoCのEC事業を中心に展開。
この二つの事業を軸に、多様なニーズに応えるサービスを提供。